つらつらと思った事を書き綴った。充分EDHに親しんだプレイヤーにとっては大して面白くも無い話だと思うので、これからEDHを始める方にでも読んで頂ければ嬉しい。

 FNM後やCCC中にEDHメンツを募ると、決まって「EDH初心者なので」とか「資産が無くてどうにも……」と言う返事を頂くことが多い。確かにエターナルフォーマット、始めるのに初期投資がかかると思われるのも当然だ。だが、全然そんな事はないし、スタンのカードを使って適当に組んでも何とかなるものだ。
 EDHはマジックではあるのだが、ボードゲームに近い要素を多分に含んだフォーマットなので、通常のマジックの常識が通用しない部分が多くある。その一つが「必ずしも強いデッキが勝つわけではない」ということだ。自分以外の3人も自分と同じフォーマットである以上、一対三で圧殺する事は余程の事がない限り不可能に近い。しかし、全く弱いデッキで勝ちきることが出来るかと言うとそうでもない。
 私自身はEDHでは勝つ事よりも楽しむ事を目的としているので結果よりもゲーム内容が大事だと思っている。個人的には簡単に勝つことが好きではないから、長期戦向けの構築を施す事が多い。勿論、プレイヤーの嗜好は雑多様々であり、中には最速でコンボを決めに行って勝つことに至上の喜びを見出す人間もいるだろう。私が楽しいと思うのは、そうしたプレイヤーの目的を瓦解させ、ゆっくりとした長期戦の舞台に無理矢理引きずり込んだ時である。相手からしてみれば気分が悪くなること必至だが、簡単にコンボを決められてしまってはこちらの気分も悪くなるものなので、そこはお互い様だろう。
 さて、本題だが、今日はEDHに興味があるが諸々の事情から未だ踏み込めずにいるプレイヤーのために、可能な限り安価でデッキを組んでみた。

・ジェネラル
《ゴルガリの死者の王、ジャラド/Jarad, Golgari Lich Lord》

・マナ加速・補助
《不屈の自然/Rampant Growth》
《遥か見/Farseek》
《秋の際/Edge of Autumn》
《耕作/Cultivate》
《レインジャーの道/Ranger’s Path》
《夜明け歩きの大鹿/Dawntreader Elk》
《ウッド・エルフ/Wood Elves》
《彼方地のエルフ/Farhaven Elf》
《オンドゥの巨人/Ondu Giant》
《ヴィリジアンの密使/Viridian Emissary》
《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》
《森のレインジャー/Sylvan Ranger》
《クローサの大牙獣/Krosan Tusker》
《根囲い/Mulch》
《よじれた嫌悪者/Twisted Abomination》

・墓地肥やし
《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug》
《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》
《壌土からの生命/Life from the Loam》
《生き埋め/Buried Alive》
《ファーディヤーの予見者/Fa’adiyah Seer》
《ジャングルの織り手/Jungle Weaver》
《アンデッドの剣闘士/Undead Gladiator》

・墓地活用
《永遠の証人/Eternal Witness》
《死者のインプ/Cadaver Imp》
《葬儀人/Undertaker》
《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton》
《蜘蛛の発生/Spider Spawning》
《蟲の収穫/Worm Harvest》
《生+死/Life+Death》
《骨までの齧りつき/Gnaw to the Bone》

・除去
《無垢の血/Innocent Blood》
《自然の要求/Nature’s Claim》
《帰化/Naturalize》
《クローサの掌握/Krosan Grip》
《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》
《酸のスライム/Acidic Slime》
《腐食ナメクジ/Molder Slug》
《シルヴォクの模造品/Sylvok Replica》
《化膿/Putrefy》
《叫び大口/Shriekmaw》
《骨砕き/Bone Shredder》
《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》

・生贄エンジン
《グリセルブランドの信奉者/Disciple of Griselbrand》
《サディストの催眠術師/Sadistic Hypnotist》
《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
《ファイレクシアの疫病王/Phyrexian Plaguelord》

・フィニッシャー
《ゼンディカーの報復者/Avenger of Zendikar》
《縫合グール/Sutured Ghoul》
《絶滅の王/Lord of Extinction》

・アドバンテージ
《調和/Harmonize》
《髑髏覆い/Skullmulcher》
《モリオックの模造品/Moriok Replica》
《収穫の魂/Soul of the Harvest》
《魂の収穫者/Harvester of Souls》
《獰猛さの勝利/Triumph of Ferocity》
《拷問生活/Tortured Existence》
《ファイレクシア流再利用/Phyrexian Reclamation》

コンボ対策
《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
《インプの悪戯/Imp’s Mischief》
《輪作/Crop Rotation》

・土地
《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
《巨森、オラン=リーフ/Oran-Rief, the Vastwood》
《やせた原野/Barren Moor》
《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
《滑りやすいカルスト/Slippery Karst》
《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》
《地盤の際/Tectonic Edge》
《断ち割る尖塔/Rupture Spire》
《安息の無い墓、スヴォグトース/Svogthos, the Restless Tomb》
《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
《進化する未開地/Evolving Wilds》
《不気味な辺境林/Grim Backwoods》
《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》

《森/Forest》14
《沼/Swamp》10



 《ゴルガリの死者の王、ジャラド/Jarad, Golgari Lich Lord》は、デュエルデッキの最新作、イゼットVSゴルガリに先行収録された新しい伝説のクリーチャーだ。このデュエルデッキ、特にゴルガリの方にはEDHに有用なパーツが多い。《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》《壌土からの生命/Life from the Loam》などの発掘カードや、《永遠の証人/Eternal Witness》《生+死/Life+Death》なども収録されており、ここから始めるのにはうってつけだろう。
 公式で過去に統率者戦用デッキとして発売していたセットは勿論EDHを始めるのに最適ではあるが、今では既に手に入りにくくなっているため、今回は新発売のセットを使っての構築とした。
 デッキについてだが、デュエルデッキに大幅に手を加え、EDHとして使えるようにしてみた。緑の基本のマナ加速から始まり、解呪系の呪文やクリーチャーで置物を牽制しながら発掘持ちクリーチャーを使って墓地を肥やして行くのが基本的な動きとなる。《拷問生活/Tortured Existence》を置いて発掘とサイクリング持ちのクリーチャーを回転させれば、マナのある限り自分のライブラリーを削る事ができ、《絶滅の王/Lord of Extinction》、《縫合グール/Sutured Ghoul》などは一撃で一人を倒せるサイズにまで成長する。ジャラドの能力で生贄にしてしまえば手っ取り早く対戦相手全員を葬る事も出来る。
 パーツについてはデュエルデッキに収録されているもの以外はほとんど安価で手に入りやすいものを選んだ。デッキ自体と合わせても4k程度の出費で0から組むことが可能だろう。最近のカードを中心に選んだので、MtG歴が長くない人でも見た事のあるカードが多く使いやすいだろう。EDHのデッキを作ってみたいけれど0から作るのはハードルが高い、と言う方は、こういうところから取っ掛かりを見つけてみては如何だろうか。一緒に入っている《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》も飛びぬけて強力なジェネラルだし、M13の伝説のクリーチャーや、RtRで新たに収録される二色のギルド指導者の中から一枚を選んで組み上げても良い。何にせよ大切なのは、取り敢えず紙束でも良いから100枚を用意し、身近なプレイヤーと遊んでみることだろう。そうすれば何が強いのか分かってくるし、意外なカードが有用な事に気付くかもしれない。そうやって少しづつデッキを洗練させていくのも、またEDHの楽しみの一つなのだ。

 一人でも多くのプレイヤーがEDHという領域に踏み込む最初の一歩の手助けとなれば幸いである。

コメント

かしぶ
かしぶ
2012年9月11日21:55

流石CCのEDH四天王

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